とらドラ8

ネタバレがあります。ご注意ください。

とらドラ!〈8〉 (電撃文庫)

とらドラ!〈8〉 (電撃文庫)


お、面白い。前巻のような、あざといくらいの、くどいくらいのコメディーパートがなくなっていて、おとなしくなっていて、程よく楽しめる。けれど、後半にあざとすぎる感が満載で…読んでいて、ちょっと距離を置いてしまった。

雪山への修学旅行。私も歳をとったと思っていたけれど、それでも、作者との歳の差をちょっぴり感じた。スキーの小ネタはともかく、修学旅行で雪山に行ったら、今の時代、スキーオンリーではなく、スキーとスノボの選択制だと思う。まあ、違っているかもしれないけれど。

大河は実乃利を気遣って、実乃利は周りを気遣って、亜美は自分を気遣って、みんな自分を偽って。大河は無理して応援しているように見えるし、実乃利は無理して普通に振舞っているように見えるし、亜美は無理して毒づいているように見える。というか、全員、保守的すぎる。このまま何も進展しないのではないか、というくらいに。特に亜美。保守的すぎる。全部の言葉が自分に対して言っているかのようで、なんだかんだで、亜美が一番弱いのだな、と思った。思ったけれど、真相の程は知らん。

というか、この三人に比べたら、まだ、麻耶の行動の方が好感持てる。麻耶のことをとても応援したくなった。

うーん、何かしらの決着がつきそうで、けれど、またお得意のなあなあ展開にもなりそう。作者の性格は実乃梨に近いのかもしれない、なんて思った。