神様のメモ帳4

ネタバレがあります。ご注意ください。

意味不明な所感になっています。ご注意ください。

神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)

神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)


杉井光の作品の中で、面白いのはこのシリーズだけ。そんなことを、改めて思った。なにやら、物凄いペースで作品を量産していたけれど、あざといだけのラブコメとか、ありふれたファンタジーとか、どれもこれも、中途半端なものでしかなかったな、というのが正直な所感。質と量、どちらが大切かなんてことは、場合によって、ころころと変わる。けれど、今回の場合において、どちらを大切にしてほしかったかなんてことは、至極明確。とはいえ、それは私の所感でしかないのだけれど。おそらく、作者本人の中では、両立できているのであろうから。まあ、いいか。

何やら、色々思うところがあった作品だったけれど、面倒くさいので、最期だけちょっぴり所感。

鳴海に会えてよかったわ

この言葉の意味は、なんだろう。なんとなくだけれど、思う。鳴海なら錬次の罠を見破ってくれると、錬次は感じ取ったのではないだろうか。あの罠は、ライブの妨害をするためなんかではなくて、もちろん四代目を妨害するためでもなくて、四代目に会うための、錬次の秘策、だったのではないだろうか。おそらく、自分からは、四代目に会いに行けない理由、があったのではないだろうか。だって、手下に四代目を襲わせるなんてする必要なくて、錬次自ら、四代目の元に向えばいいだけの話、なのだから。それができなかったのは、何故だろう。それは、たぶんとか、おそらくとかで、推し量っていいものなんかではないのだろう。けれど、その想いが、錬次の邪魔をしていたのではないだろうか。錬次が東京に戻ってきたのは、四代目を憎んでいるから?恨んでいるから?復讐したいから?そうなのだろうか?そんな感情、どこに見られただろうか?見られたのは、ただただ、素直になれない、1匹の狼。だったら、だったら、だったら

完成まで5年も、かかっちゃいましたね

5年前のあの事件。もしかしたら、錬次は全部、知っていたのではないだろうか。だからこそ、何も言わない四代目のことが、だからこそ、何もできなかった自分のことが、歯がゆかったのではないだろうか。

自分の意志で再会することができなかったものと、自分の意志で再会を選んだもの。そんなの勝負は明白だよね、なんてな話。たるんでいたのは、腕ではなくて、その心。完成まで5年もかかったのは、刺繍だけではなくて――――

なんて、適当なことを書き連ねてみたけれど、それが真実かどうかなんて、もう、わからなくて、確かめる術もないけれど、もし真実なのだとしたのなら、誰かが掘り起こさなければいけない言葉、なのではないだろうか。

うーん。なにやら読んでからずいぶん経って所感を書いたから、何を書いているか意味不明。簡潔にまとめると、一番成長できたのは錬次だよね、ってな話、かな。まあ、いいか。