時載りリンネ2
ネタバレがあります。ご注意ください。
- 作者: 清野静,古夏からす
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/12/01
- メディア: 文庫
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1巻で感じた良い部分と悪い部分。それを2巻にそのまま当てはめることができる。つまり、何もかわっていない。まあ、それが悪いというわけではないのだけれど、何かしらの変化は欲しかったかも。相変わらず文章は読みやすい。とても鷹揚。けれど、抑揚がない。淡々と進む。それが心地良くもあるのだけれど、退屈でもある。そして、それは文章だけでなく、物語の展開としてもそう。盛り上がる部分に欠ける。坦々と進む。加えて、重点を置いてはいないのだろうけれど、戦闘シーン。アバウトすぎる。まあ、私に想像力がないと言ったらそれまでなのだけれど。また、それがご都合主義的過ぎる。物語である以上、ある程度は仕方ないにしても、1巻に引き続き2巻でも、となると、さすがにうんざり感が出てきてしまう。主人公補正をもう少し控えて欲しい。凪についてもそう。最後の力技は、個人的にはそこまで嫌いではないのだけれど、むしろ、どちらかといえば有りなのだけれど、凪の能力は、無い。というのも、凪の能力が強力すぎて、リンネが頑張らなくとも、凪が喋れば一発解決、なのだから。久高という制御装置があるとはいえ、ともすれば、久高の匙加減一つで何でも起こりえてしまうため、もう少し何とかして欲しいところ。
なんて、以上のようなことを書くのを憚られるような世界観は良い部分、かな。まあ、そんなの全部、些細でしかないぜ。と、思える人が、この物語を十二分に堪能できるのだろう。羨ましい…