流れ星が消えないうちに

ネタバレがあります。ご注意ください。

流れ星が消えないうちに (新潮文庫)

流れ星が消えないうちに (新潮文庫)


普通の話。本当に何処にでもありそうな、唯唯普通の話。けれど、うーん。九つの物語、でもそうだったのだけれど、橋本紡の書く女の子視点の物語が、どうも好きになれない。というか、女の子の内面が、どれも似たり寄ったりだ。しかも、どこか作り物っぽい。同じような女の子のキャラを書く人は多々いるけれど、フィクション前提で書いているのならば、それはそれでありなのだろう。けれど、なまじ現実的な雰囲気を持たせているせいか、どうも好きになれない。

第一章で本を閉じようかとも思ったけれど、第二章は秀逸。というか、ずっと巧視点で書いて欲しいとさえ思った。それ以降は、いや、それ以降も、何の変哲もない物語が続く。過去に縛られている男の子と女の子の話、を読んでいるのは、心地いいものとは言えない。けれど、それでも、彼らは自分達の足で、その一歩を踏みだせたのだろう。プラネタリウムを、また見られるようになったのだから。加地という記憶の玄関を、自由に出入りすることが出来るようになるだろう。もし立ち止まってしまったとしても、空を見上げれば、満点の星空が広がっているのだろう。無数の流れ星が、降り注いでいるのだろう。彼らは、流れ星に、どんな願いをかけたのだろう。さてと、次はお父さんの番。娘に遅れを取ってはダメですよ。

いつの間にか、知らない町に迷い込んじゃう話

何の作品のことを指しているのかはわからないけれど、私もずいぶん前に読んだことがある。魔の四角形、だったかな。懐かしい。