神様のメモ帳3

ネタバレがあります。ご注意ください。

神様のメモ帳〈3〉 (電撃文庫)

神様のメモ帳〈3〉 (電撃文庫)


困った。特筆すべき部分が、特にない。それなのに、何故こんなにも、心が温まるのだろう。いろいろな面で拙さを見せた、死図眼のイタカ、とは違い、キャラやら世界観やらが作り上げられている。そしてそれが物凄く安定している。ただ残念なのは、次巻が出るまでにまた間が開きそうなところ…さよならピアノソナタ、とか、死図眼のイタカ、は面白いけれど、読んでいると疲れるのだよな…

彩夏が戻ってきた

いろんなものをなくしたまま

それでも戻ってきたんだ

雪の日の、雪のように冷たい事件。あの温室の暖かさは、彼らの心の温かさ。溶けた雪は、切なさとなり、心に、沁みこんでくる。不器用で、単純で、アリスに言わせれば、愚昧で、魯鈍なのだろう。けれど、それでも、だからこそ、そんな彼らが、唯唯眩しい。もう失ったものは戻ってこないけれど、彼らは歩いていく。彩夏はその象徴のような存在、かな。