さよならピアノソナタ2

ネタバレがあります。ご注意ください。

さよならピアノソナタ〈2〉 (電撃文庫)

さよならピアノソナタ〈2〉 (電撃文庫)

だから、音楽の未来について恐れる必要はない

うーん。何で私はこんなにも記憶力がないのだろうか。この巻から読み始めたからかのように、前の巻のことを何も覚えていない…まあ、いいか。読んでいればそのうち思い出すだろう。ということで、合宿に行く話。もちろん、ラノベ的お約束的事項満載…ではなかった。いや、ないわけではない。けれど、些細でしかない。カラーの挿絵を見て、想い描くような、そんな作品では、ない。けれど、些細でしかなかったのは、そんな期待をしていた、そんなことを想い描いていた、そんな私でしか、なかった。

ぼくらを束ねる名前

合宿行くまでがここまで大変だとは…まあ、その大変の中心は、例によって、真冬なのだけれど。そして

…ほんとに、わかるの?

だから、どうしていいのか、よくわからない

あのときは、まだ――

あなたが、わかってないから

わたしは、口実、だったんだ

悩んで、悩んで、悩んで、悩んで、閉じこもって。泳げないのは、泳ぎ方を知らないから。日焼けに弱いのは、太陽の光を知らないから。閉じこもったのは、籠の中。鍵を掛けたのは、自分自身。掛けられる声に、耳を傾けなくて。けれど、その鍵を打ち壊して、手を差し伸べてくれる人がいる。だから、羽ばたく準備をする。あのときの曲と一緒に、飛び立ちたいから。

千晶は、つらく、ない?

本当は、わかっていたのだろう。けれど、そんなことを聞いてしまうくらいに、彼女は、儚い。つらくないわけが、ない。それでも、それよりもつらいことが、ある。彼女は、答えを出すことが出来たのだろうか。見つけることが、出来たのだろうか。いや、違うか。そんなの初めから、出ていたのだから。見つけていたのだから。決まって、いたのだから。フェケテリコ。

あんな弾き方してても未来ねえぞ

うーん。神楽坂にしろ、千晶にしろ、あれだけ頑張っていたのに、最後に持っていかれてしまった。それが真冬ならばまだしも、まさかの古河。彼がどこまで知っていたのか、わかっていたのかは、わからないけれど、それを知る術もないけれど、おそらく、こう言いたかったのではないだろうか。あんな生き方してても未来ねえぞ。真冬の右手が動かないのは、精神的なもの。ならば、それは、心の象徴。真冬そのもの。だとするならば、ギターは、何を象徴しているのだろうか。そしてそこから紡ぎだされる音は、何を象徴、しているのだろうか。なんて、まあ、そんなこと、言うまでもないけれど。

いい言葉だね

ああ、そうだ。思い出した。一巻ではあんなにも上手く纏め上げたのにもかかわらず、続編が出るなんて、蛇足的にしかならないのではないだろうか。なんて、浅薄なことを考えていた私に、言ってやりたい。杞憂であると。さてと、三巻が、楽しみだ。ニート探偵の方にも、次がある、と言ってくれる人がいればいいのだけれど。まあ、気長に待つか。

蛇足的な感想になってしまうけれど、作中に出てきた音楽について。とは言っても、まだ私が生まれる前のものばかりだったので、まるでわからなかった。これを全部知っている人は、物語の捉え方も変わってくるのだろうか。聴いてみたところ、Paradise Cityが格好良かった。ただ、まだ若造の私には早いのだろう。いまいちピンとこなかった。それでも、一つだけ聴いていたものがあった。グリーンデイ。おお、懐かしい。神楽坂たちが選んだ三曲は、何だったのだろう。Bratが入っていてほしいなあ。とか、思った。