不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界

ネタバレがあります。ご注意ください。

不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)

人生に再販があるとすれば、私はどういう風に誤植を直すだろうか

ん？結局、何が書きたかったのか、よく分からない作品。内容がないよう、程度のレベルの言葉遊びがふんだんに盛り込まれている序盤では、それが特に顕著。正直、文章の嵩を増やすのが目的としか、思えない。トリックについてもそう。…いや、まあ、騙されたのだけれど、既知のものであるため、驚きは少ない。クリエイターの十戒はどうした。と、ツッコミざるをえない内容。というか、バックアップって、何だ？

クリエイターの十戒ってご存知ですか？

…何だろうこれ。こんなに向上心の高い人間が、どれだけいるというのだろう。というか、西尾維新が言うと、クリエイター（ここでは著者としておく）を戒めているように見せて、読者を戒めているように見えるから、困る。クリエイターの十戒、の内容的に、著者側が言うと、とても謙虚に見えるけれど、読者が言ってしまったら、傲慢にしか、映らない。何か、最近の西尾維新は、読者に対して、攻撃的な気がする。それとも、保守的になった、だけだろうか。気のせいならば、いいけれど。

飄々としてつかみどころのない人間がこんなにつまらないとは思わなかった。

たぶん、おそらく、今回のテーマって、これなのではないだろうか、と、思っってしまった。