死図眼のイタカ

ネタバレがあります。ご注意ください。

死図眼のイタカ (一迅社文庫)

死図眼のイタカ (一迅社文庫)


なにやら設定やら展開やら単語やらに、あれとかあれとかあれとかの影が見え隠れしている感じがするのだけれど、まあいいか。火目の巫女、は未読なのでわからないけれど、他の作品はどれも主人公の性格が似たり寄ったりな感じ。本書でも同じような感じなのだけれど、あの展開に耐えられるようにするためか何も感じないという特性が付いていて、何か更にキャラが立っていないのではないだろうか、と、感じてしまった。眼もほとんど役に立ってないし…というか、四姉妹とかも口調だけでしか判別できなかった…

イタカ、忘れ物――

ペインティングナイフ。ペインとかけてあるのか。まあそれはさておいて、それは藤咲とマヒルを繋ぐもの。けれど

イタカに逢えたんだから、いいんだってば

ヒルの言葉が、想いが、わかったのだろう。届いたのだろう。だからおそらく、忘れたのでは、ないのだろう。必要が、なくなったのだろう。痛みは雪へと変わったけれど、この雪が、彼女たちの凍った心なのだとしても、マヒルなら、溶かせるだろう。この町初めて雪は、真昼の雪。

藤咲の名前は、ユキ、とか、マシロ、なのだろうか。なんて思ったりもしたけれど、違うかな。白髪の男の名前だったら嫌だな…

藤咲とイタカ。出番は少なかったけれど、なんだかんだ言って、やはりメインキャラなのだな。と、思った。

なんだか、最後のこの件を読むためだけに、この本がある感じ。なかなか凄惨な展開だったけれど、読者としては、救われたのかな。