世界樹の迷宮〜去り行くモノたちへの鎮魂歌〜

ネタバレがあります。ご注意ください

それは巨大な墓標だった

ゲーム「世界樹の迷宮」のノベライズ。とはいえ、ゲームのストーリへの関与はない。まあ、それは、あとがきにも書いてある。もうすぐ2が発売なので、積んである本の中から掘り出して読んだ。おお、なかなか面白いではないか。もっと早くに読めばよかった。

ケルヌンノス

を、倒す話。ゲームで苦戦した覚えはないけれど、この世界では、誰も倒せていないらしい。私は一層のボスにかなりてこずった。なので、それが出てこなかったのは、少々、さびしい。あと、一層において凶悪な毒蝶と蟷螂。これも出てこなかった。新人云々の件のところででも、出してくれればな。と、思った。少々、さびしい。けれど、一番納得いかないのは、二層の花がまるで雑魚キャラだった部分。カミルの兄貴がこいつにやられたのならば、面白かったかも。…いや、地味すぎるか。というか、経験者じゃないとわからないし、ダメだな。しかも、アルケミストがいるので、楽勝といえば楽勝か。

――自分がそれほど影響力のある人間だと思っているのか?

ふーん。引退しても、弟子つれてこないのか。まあ、あいつにいるはずないけれど。というのはさて置いて、率直に言って、街での描写は若干退屈だ。それは、先が読めてしまう、ありがちなパターンだからだ。先が読めてしまうということは、はっきり言って、作者自身が作品内において、ネタバレさせているようなものである。次回作があるのであれば、そこを改善してほしいかな。もう少し、捻ってほしい。

……折れたら折れただ。その時はみんなであやまろう

対して、戦闘シーンは面白い。私がゲームクリア済みであるからかもしれないけれど、その場景が、手に取るように、ありありと、わかる。けれど、ここでも、ピンチ→助っ人、というお約束炸裂。嬉野秋彦の他の作品を読んだことはないけれど、ベタ好きなのだろうか。けれど、私としてはこういう展開は、あまり…かな。

ああそうだ。オトワカについて。名前、ヒデヨシなら面白かったのに。と、アホなことを、思ってしまった…