狼と香辛料 7 Side Colors

ネタバレがあります。ご注意ください。

狼と香辛料〈7〉Side Colors (電撃文庫)

狼と香辛料〈7〉Side Colors (電撃文庫)

パンとは労働の果実です

狼と香辛料」は経済を題材にしたラノベだとよく言われているけれど、経済学部の私は、そうだろうか?と、思っていた。けれど、「労働の果実」。この言葉にはニヤリとしてしまった。既刊を読み直してみれば、まだまだ見落としているものが、あるのかもしれない。まあ、それはいいか。ところで、これは一体いつの話なのだろうか。ホロは本編ではいくつなのだろうか。まあ、それもいいか。少女と少年とホロの話。ロレンス相手のホロの行動には、ロレンス同様、かなり裏をかかれるのだけれど、今回は子供が相手だからだろうか、ホロの行動の意味が手に取るようにわかった。と、思っていたのだけれど、またしても裏をかかれた。うーん、こういうオチは嫌いだったのだけれど、支倉凍砂がやると、何か清々しい。不思議だ。しかし、支倉凍砂は焦燥感を煽るのが、上手い。それは、ホロが真剣になるのは、本当に必要なときだけだから。その状況が、それぞれの心境が、ありのままに伝わってくるから。王道といえば王道なのだけれど、その過程の描写が、抜きん出ている。

何を考えているか当てましょうか?

ホロだ…アリエスがホロになってしまった…これから、この二人は、ホロとロレンスのような関係になっていくのだろうか。それは、羨ましくあるけれど、かわいそうでも、ある。クラスの健闘を、祈ろう。まあ、二人が楽しければ、それでいいのであろう。けれど、クラスがロレンスの先祖か前世に見えてきた。

服一つ買うのに大仰な理由づけじゃな

小説において会話のシーンというのは、とても大切だと思う。感情を表したり、隠したり、それ自体が伏線になったりする。会話シーン一つで、その小説が面白く感じたり、逆に感じたりする。おそらくそれは、人というのがコミュニケーションを好むから。「林檎の赤、空の青」は、そんな会話シーンのオンパレード。しかも、油断ならないホロが相手のため、気を抜けない。まあ、気張らずに楽しむのが、一番いいのだろう。そして、ロレンスには悪いけれど、話の落としどころが、実に巧だ。

羊が岩塩を見つけるとは知りませんでした

あ…岩塩…感想とは全く関係ないのだけれど、私は飲食店でバイトをしている。そこの発注リストに「岩塩ミル」という商品があった。その商品リストをファックスで送ったのだけれど、どうやら、「岩塩ミル」の部分だけ印刷ミスされていたらしい。なので、先方が電話で読めない部分を聞いてきた。当時の私は何を思ったのか、「いわしおミル」と言ってしまった。当然ながら、先方は理解していない。どころか、「鰯を見る」と聞こえたようだ。けれど、それでは話がつながらないため、「鰯を三尾」と解釈したらしい。なにやら、勘違いしているな、というのが空気で伝わってきた。そのとき、「それ岩塩だぞ」と、横から口を挟まれた。は?と、思い、声のしたほうを振り返ると、そこにはマネージャーがいた。いつから見ていたのか知らないけれど、もっと早くに言えよ。いらぬ恥をかいてしまったではないか。まあ、私がいけないのだけれど…という、特にオチのない話を思い出した。

広い心を持つことですね

まあ、これは予想通りの回答。というのは、置いといて。この「狼と琥珀色の憂鬱」は、え、ホロの心境ってこんなだったのか。という感想が溢れかえりそうな話。また、「狼と香辛料」という作品に触れたことのない人は、短編集だからといって、この巻から読んではいけない。既刊を全て読み終わった上で読むのがいいと思う。特に三巻は、その焦燥感が薄れてしまう可能性がある。とりあえず三巻までは読了しておいた方がいいかもしれない。そういえば、ホロは私の萌えゾーンに入っていなかったのだけれど、これは考え直さざるを得ないかもしれない。

ところで、萌えゾーンチェッカーなるものがあったのでやってみた。結果は

あなたの萌える年齢は15〜23歳ですね。
ちなみにあなたのストライクゾーンは
高め(18)
低め(42)
内角(43)
外角(18)
らしい。思っていたよりかは正常らしい。まあ、ネタ的にはつまらないけれど。ロリが好きなんて、わかっていたよ。まあ、一応、年上も含まれてはいるので、安心。じゃねーよ…とりあえず、何故ホロに萌えなかったのかは、円満解決ということで…