愚者のエンドロール

ご注意ください。致命的なネタバレがあります。

また、感想の中にゲームEVER17のネタが出てきます。

ゲーム未クリアの方は閲覧しないことを推奨します。

愚者のエンドロール (角川文庫)

愚者のエンドロール (角川文庫)

データベースは結論を出せない

福部里志氷菓の感想では出さなかったけれど、古典部シリーズにおける情報供給係。薀蓄供給係。それにしても、古典部員の彼に対する扱いが日に日に酷くなっていくのは気のせいだろうか。彼は気にした風ではないけれど…

試写会に行きましょう!

千反田の発案で、自主制作の映画を見に行くことになる。まあ、いつもの事ながら、奉太郎は断れない。しかし、その映画は未完であり、それを解決していくことになる。そして、次々と推理対決をしていく。

別にいいじゃない、鍵ぐらい

本書の本文やあとがきに書かれている作品を一つも読んだことが無いのだけれど、おそらくこれ以降も自分には縁の無い作品なのだろうと思うけれど、それでも、私はEVER17をクリア済みである。沢木口の推理後、わかってしまった。七人目の役割が。細かい理論は抜きにして、わかってしまった。BW。そのほかの些細なことは、このように説明しよう。奉太郎よ。気が合うな。私も同じように思ったよ。別にいいじゃない、謎ぐらい。けれども、このままでは終わらなかった。やはり私は浅薄なようだ。

誰でも自分を自覚するべきだ。でないと。……見ている側がばかばかしい

おそらく、この言葉は奉太郎に対してではなく、「ただ運がよかっただけです」に対して言ったものだろう。もしそうなのだとするのならば、あの話はやはり、入須自身の話なのだろうか。補欠が入須であるとするならば、天性の才の持ち主はおそらく供恵なのだろう。供恵に対してだけ言葉使いが違うのも、伏線だろうか。入須冬実。テレジア。女帝。しかし、その仮面が外れるときがある。女帝の衣を、脱ぎ落としたように。それはとても、とても儚く、見えた。最後に、「それを嘘と呼ぶのは、君の自由よ」と言った時の入須の心境は如何ほどのものだったのだろう。それでも、それを表に出さないところを見ると、やはり彼女は女帝という名に相応しいのだろう。それに対する奉太郎の言葉。「それを聞いて、安心しました」。まさか、わかっていたのだろうか?

でも……ごめんね折木

うわあぁぁーぁぁあーあぁぁぁあああーーーぁぁああああぁあ。何なのだこれは。どこだ。どこから私は狙い打たれたのだ。いやそれどころの話ではない。爆撃だ。爆撃されたのだ。それほどの破壊力。どうして私はこんなにも、こういうものに弱いのだろう。このことを書くかどうか迷ったのだけれど、書こう。時折見せる奉太郎へのこのような伊原の態度。実は気があるのではないのかと思わせるけれど、それはないことを祈ろう。それでは里志があまりに不憫すぎるではないか。それに対して、ヒロイン千反田。今回はなにやら影が薄かったな。次回に期待しよう。

みんなで、できたってばんざいすることでしたから

入須の本当の目的もこれだったのだろうか。というか、本郷という人物はでっち上げだと思っていた。同情を誘うための偽りだと思っていた。注意力が足りないな。フルネームが出た時点で普通は気づけるのに…

あのバカはそれに気づかなかったみたいだけど

エンドロールに入るわけだけれど、愚者は誰だったのだろう。順当に考えると供恵になりそうだ。入須や本郷も考えたけれど、愚者という言葉には当てはまらない気がする。千反田という線は…あまりに薄い気がする。というか、そのまますぎる。奉太郎は…愚者=フール=騙される人。いや、かわいそうなことを言うのはやめよう。奉太郎は頑張ったではないか。そして、読者という線は無いことを祈る。さてと、違う視点から見てみる。エンドロール。まさかとは思うけれど、コントロールと掛けているのだろうか。だとすると愚者は、コントロールしている供恵だろうか。入須だろうか。はたまた、されている奉太郎だろうか。…いや、やめよう。困ったときにはこれだ。別にいいじゃない、題名ぐらい。

ひとの亡くなるお話は、嫌いなんです

これは、米澤穂信の心情だろうか。信条だろうか。ああ、そういえば五章の章題の意味は何だったのだろう。この謎を解き明かした人が、どこかにいないだろうか。まあ、いいさ。相変わらず何一つわからなかったけれど、それでもわかった元ネタがある。最後はこの有名すぎる言葉で終わろう。まだ感想は書きたりないけれど、それを書くにはこの余白は狭すぎる。